中二病でも恋がしたい! 8~12話 感想
中二病でも恋がしたい! 8~12話 感想
中二病でも恋がしたい! 8~12話 感想
映画的。というのが、後半の感想。


各登場人物への注視が不均一で、後半全体を通して冨樫への没入度が高い。
各レギュラーキャラクターを等間隔に並べて見せているだけではないところが印象的。

一色、つゆり、凸、丹部谷あたりのキャラクターが完全に脇役に徹していて、言い換えるなら、作品の時間軸が完全に冨樫とのみ一致していて、ぜひ160分ほどの映画作品にまとめて直して欲しいな、と思わせる、そういう作品だった。

魅力的な準レギュラー格の人物にごく単純な物語上の役割を割り振って使い捨てるところに潔さを感じる。
一方で、凸、森夏への掘り下げはもう少し欲しかったかな、という気はする。
また、終盤のつゆりの使い捨てもやや勿体無い。
だが、繰り返しになるが、この主人公しか注視しないという潔さこそが、この作品演出全体のキモであるように思う。

また、映像面では、六花の表情の機微が秀逸だった。
艶やかな、あるいは、ストレスフルな、1人の等身大の人物像を感じさせる立体感があった。
一方、シーンとして特に印象深かったのは、森夏が凸を抱擁するシーンと、凸森が冨樫を前に崩壊するシーン。
森夏さんの聖女というフラグもこのシーンで抽象的に回収されているところが妙。
こういう作画があるから現代のアニメは目が離せない。
また、上記のシーンでは演出もさることながら、上坂すみれの快演も光った。
ぶっちゃけ感動した。


後半のシリアス展開が少し重すぎ、またテーマが観念的で、やや難解なものであったため、所謂覇権的な立ち位置に収まることはできないだろうが、良質アニメとして歴史に残ることは疑うべくもない。
京アニは、前期の『氷菓』から続いて落ち着いた作風が続いているが、
このへんでどっかんどっかんSFあたりやってほしい。マジで。

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